IHとガスコンロ、
一人暮らしの光熱費の差は月いくら?
熱効率と単価から確かめました

この記事の結論

Q. IHとガスコンロ、一人暮らしの光熱費が安いのはどちら?
A. IHと都市ガスはほぼ同じで、プロパンは高めになる計算です。
お湯1Lを沸かす金額は、IHが3.2円、都市ガスが2.8円、プロパンが5.2円でした。
Q. IHとガスコンロのコンロ代の差は月いくら?
A. 1日3回お湯1Lを沸かす計算で、IHと都市ガスの差は月32円です。
プロパンとIHの差は月180円になります。
Q. 光熱費の差を大きく左右するものは?
A. 部屋がプロパンかどうかと、ガスの基本料金があるかどうかです。
東京ガスの基本料金は月909円で、コンロ代の差より大きくなります。

部屋探しでIHの部屋とガスコンロの部屋が候補に残り、「光熱費はどちらが安いのだろう」と気になったことはありませんか。

  • IHと都市ガス・プロパンで、お湯1Lを沸かす金額
  • 一人暮らしの使い方で見た、月あたりのコンロ代
  • コンロより差が大きくなりやすいところ

この記事では、この3つを熱効率と単価から計算して確かめます。
賃貸ではコンロを選べないことが多いため、物件選びで見る点と今の部屋でできることまでつなげます。

📊 お湯1Lを沸かす金額を一目でチェック

コンロ お湯1Lあたり 1日3回×30日
IH 3.2円 288円
都市ガス 2.8円 256円
プロパン 5.2円 468円

熱効率と単価から当サイトで試算(条件は2章)

1. 結論:IHと都市ガスはほぼ同じ、プロパンは高め

同じお湯1Lを沸かしたときの金額を並べました。

IH 3.2円 お湯1Lあたり
都市ガス 2.8円 お湯1Lあたり
プロパン 5.2円 お湯1Lあたり

熱効率と単価をそろえた比較

コンロ 熱効率 単価 お湯1Lあたり
IH 90% 31円/kWh 3.2円
都市ガス 50% 190.94円/㎥ 2.8円
プロパン 50% 768円/㎥ 5.2円

※ お湯1Lを20℃から100℃まで沸かす場合の概算です。条件と出典は2章にまとめています。

IHと都市ガスはほぼ同じ金額で、プロパンだけが高くなりました。

ガスこんろの熱効率を高めに置いた場合

ガスこんろの熱効率 都市ガスのお湯1Lあたり
50%(この記事の計算) 2.8円
56.3%(掲載製品の上限) 2.5円

熱効率の置き方で都市ガスの金額は少し動きますが、IHとほぼ同じという結果は変わりません。

電力会社の試算との照合

コンロ 当サイトの計算 くらひろの試算
IH 3.2円 3.3円
都市ガス 2.8円 3.1円
プロパン(LPガス) 5.2円 6.0円

※ お湯1Lあたり。くらひろの試算は熱効率をIH90%・ガス50%と仮定し、都市ガス199円/㎥・LPガス866円/㎥で計算されています。
出典:東京電力エナジーパートナー「くらひろ」(2026年6月4日)

  • 単価の違いで、当サイトの計算と少しずれます
  • 安い順に都市ガス・IH・プロパンとなる点は同じです

プロパンの部屋の場合は、単価そのものを確かめる方法があります

上の表のとおり、プロパンは同じお湯1Lでも金額が大きくなりやすいガスです。
エネピは地域のプロパンガス相場をスタッフが提示してくれるサービスで、今の単価が高めかどうかを無料で確認できます。

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※ サービスの最新情報は公式サイトでご確認ください

2. 計算のしかた

コンロ代は、お湯を沸かすのに必要な熱量を熱効率で割り、エネルギーの単価をかけて出しています。
熱効率が高いコンロほど、同じお湯に使うエネルギーが少なくて済みます。

計算に使った前提条件

  • お湯:1Lを20℃から100℃に(必要な熱量 約0.335MJ=約0.093kWh)
  • IHの熱効率:90%
  • ガスこんろの熱効率:50%
  • 電気:31円/kWh(公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会の電力料金目安単価・令和4年7月改定・税込)
  • 都市ガス:13A(発熱量 45MJ/㎥)、東京ガスの従量単価 190.94円/㎥(2026年11月検針分・原料費調整後・税込)
  • プロパンガス:発熱量 99MJ/㎥、768円/㎥(2026年8月調査の全国平均から割り戻した目安)

プロパンの単価について

768円/㎥は、石油情報センター「液化石油ガス価格調査(確報)」2026年8月調査の全国平均の総額から割り戻した目安です。当サイトの独自計算で、公表された従量単価ではありません。
都道府県別の実額はプロパンガスの料金はなぜ地域で違う?都道府県別の公式データで自分の相場を確かめる方法で整理しています。

計算の手順

  1. お湯1Lを20℃から100℃にする熱量を出します(約0.335MJ=約0.093kWh)
  2. IHは、0.093kWhを熱効率90%で割り、31円/kWhをかけます(3.2円)
  3. ガスこんろは、0.335MJを熱効率50%で割り、発熱量で㎥に直して単価をかけます(都市ガス2.8円・プロパン5.2円)

熱効率の数字の出どころ

コンロ 公表されている数字 この記事の計算
IH 約90%(日本電機工業会の実験値) 90%
ガスこんろ 51.0〜56.3%(省エネ性能カタログ2025年版の掲載製品) 50%(低めに置いた値)

※ IHの約90%は、水を20℃から95℃にする実験で、直径17cmの片手鍋・3.0kWのIHを最大火力で使った条件の値です。
出典:一般社団法人日本電機工業会、省エネ性能カタログ2025年版(資源エネルギー庁)

  • IHとガスこんろは、熱効率の測り方がそれぞれ違います
  • IHの約90%は業界団体の実験値で、国のカタログに製品ごとの値は載っていません
  • この記事の金額は、前提を置いた目安としてご覧ください

3. 一人暮らしの月額の目安と、統計で見た光熱費の合計

お湯1Lあたりの金額を、一人暮らしの使い方に当てはめてみます。
「1日3回お湯1Lを沸かす」は、資源エネルギー庁や東京都の省エネの試算と同じ条件(水1L・1日3回)です。

1日3回お湯1Lを沸かす場合(30日)

コンロ 月あたり IHとの差
IH 288円 ―
都市ガス 256円 IHより月32円安い
プロパン 468円 IHより月180円高い

1日1回お湯1Lを沸かす場合(30日)

コンロ 月あたり
IH 96円
都市ガス 85円
プロパン 156円

※ どちらも2章の条件で計算した概算です。鍋の大きさや火加減で金額が変わります。

一人暮らしの使い方では、IHと都市ガスのコンロ代の差は月に数十円にとどまる計算です。

統計で見た一人暮らしの光熱費の合計

環境省の調査には、使っているコンロの種類別に、一人暮らしの年間の光熱費の支払額がまとめられています。

年間の支払額 ガスコンロだけ使う一人暮らし IHだけ使う一人暮らし
電気 6.39万円 9.02万円
都市ガス 2.18万円 1.04万円
LPガス 1.99万円 1.05万円
灯油 0.78万円 0.65万円
合計 11.34万円 11.77万円

※ 単身世帯・年間の支払額の平均です。そのエネルギーを使っていない世帯も含めた平均です。
出典:環境省「家庭部門のCO2排出実態統計調査」令和5年度確報・第6-5-5表

統計の数字の読み方

  • 合計の差は年4,300円ほどで、ほとんど変わりません
  • IHの世帯は電気が多く、ガスが少なくなっています。お金の出どころが電気に寄っている形です
  • お湯や暖房の方式の違いも混ざっているため、コンロだけの差ではありません

4. 差が大きいのはガスの基本料金

コンロ代の差は月数十円ですが、ガスの契約にかかる基本料金はそれより大きくなります。

コンロ代の差と基本料金の比較

比べるもの 月あたり
IHと都市ガスのコンロ代の差 32円
プロパンとIHのコンロ代の差 180円
東京ガスの基本料金 909円

※ コンロ代の差は1日3回お湯1Lを沸かす場合。基本料金は東京ガスの2026年11月検針分・原料費調整後・税込の金額です。

IHの部屋でもガスの契約が残る場合

お湯(給湯)がガスの部屋

コンロがIHでも、お湯をガスで沸かす場合は、ガスの契約と基本料金がかかります。

お湯まで電気の部屋

オール電化の部屋はガスの契約がない代わりに、お湯も電気で沸かすため電気の使い方が変わります。

オール電化の部屋と比べる場合

お湯まで電気の部屋は、電気とガスの合計で見ないと比べにくくなります。

5. 賃貸ではコンロを選べない:物件選びで見る点と今の部屋でできること

賃貸ではコンロが部屋の設備として決まっているため、住んでから入れ替えるのは難しいことが多いようです。
選べるのは部屋を探している段階です。

物件選びで見る3つの点

見る点 光熱費への影響
コンロの種類(IHかガスか) コンロ代の差は月数十円ほど
都市ガスかプロパンか コンロにもお湯にも単価の差が効きます
お湯は何で沸かすか(ガスか電気か) ガスの契約と基本料金があるかどうかが決まります

コンロの種類よりも、ガスの種類とお湯の沸かし方のほうが光熱費に効きやすい計算です。

ガスこんろの部屋でできること

工夫 年間の効果
炎が鍋底からはみ出ないようにする ガス2.4㎥・約450円

※ 水1L(20℃程度)を沸騰させるときに強火から中火にした場合(1日3回)。ガス188.4円/㎥(2026年1月調べ)で計算された金額です。
出典:東京都環境局「家庭の省エネハンドブック2026」

IHの部屋でできること

  • 鍋底が平らな鍋を使う(底が丸い鍋はIHと接する面が小さく、熱が伝わりにくくなります)
  • 鍋にふたをして調理する
  • 鍋の水滴を拭いてからのせる

出典:東京電力エナジーパートナー「くらひろ」

IHの工夫の節約額は公式の数字が見当たらないため、金額は載せていません。

6. プロパンの部屋の場合

プロパンと都市ガスの単価の差は、コンロ代だけでなくお風呂やシャワーのお湯にも同じように効きます。

都市ガスとプロパンのコンロ代

都市ガスの部屋

お湯1Lあたり2.8円。
1日3回で月256円。

プロパンの部屋

お湯1Lあたり5.2円。
1日3回で月468円。

お風呂とシャワーの金額は、お風呂とシャワー、ガス代が安いのはどっち?一人暮らしの都市ガス・プロパン別に計算しましたにまとめています。

今の部屋のガスを確かめる

  • 部屋が都市ガスかプロパンか
  • 検針票の従量単価(円/㎥)と基本料金
  • 先月・前年同月と比べた使用量(㎥)

7. よくある質問

熱効率について

Q1. ガスこんろの熱効率をなぜ50%で計算したのですか?
A. 製品の値より少し低めに置いたためです。
省エネ性能カタログ2025年版の掲載製品は51.0〜56.3%です。56.3%で計算すると、都市ガスはお湯1Lあたり2.5円になります。

他社の試算について

Q2. 電力会社の試算と金額が違うのはなぜですか?
A. 使っている単価が違うためです。
東京電力エナジーパートナーの「くらひろ」は都市ガス199円/㎥・LPガス866円/㎥で計算しています。

単価について

Q3. ガスの単価が変わると、コンロ代の比較も変わりますか?
A. 変わります。
この記事の都市ガスは東京ガスの2026年11月検針分・原料費調整後・税込の従量単価で計算しています。単価は毎月動くため、目安としてご覧ください。

IHの部屋について

Q4. IHの部屋に住むと電気代は上がりますか?
A. 電気代が増えて、ガス代が減る形になりやすいようです。
環境省の統計では、IHだけ使う一人暮らしの電気の支払額は年9.02万円で、ガスコンロだけ使う一人暮らしの6.39万円より多くなっています。
Q5. IHの部屋ならガスの契約はなくなりますか?
A. お湯(給湯)がガスの場合はなくなりません。
コンロがIHでも、お湯をガスで沸かす部屋では、ガスの契約と基本料金がかかります。

節約について

Q6. コンロで光熱費を抑える工夫はありますか?
A. ガスこんろは炎を鍋底からはみ出さないようにし、IHは鍋底が平らな鍋とふたを使います。
ガスこんろの工夫は、東京都の試算で年間ガス2.4㎥・約450円です。

8. まとめ

  • お湯1LあたりはIH 3.2円・都市ガス 2.8円・プロパン 5.2円
  • 1日3回で、IHと都市ガスの差は月32円、プロパンとIHの差は月180円
  • 環境省の統計でも、一人暮らしの光熱費の合計の差は年4,300円ほど
  • 差を大きく左右するのはプロパンかどうかとガスの基本料金があるかどうか
  • 物件選びでは、ガスの種類とお湯の沸かし方をあわせて見る

IHとガスコンロのどちらにするかで悩むより、ガスの種類とお湯の沸かし方を確かめるほうが、光熱費には効きやすいかもしれません。

電気の契約先を見直す場合

今の部屋がIHの場合は、電気の契約先を見直すと、単価の側から光熱費を見直せる場合があります。

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