電気の基本料金0円プランは
一人暮らしでお得?
3つのタイプと公式単価での見分け方
公開日:2026年9月4日 / 更新日:2026年10月7日
この記事の結論
- Q. 基本料金0円のプランに変えると、その分だけ安くなりますか?
-
A. 基本料金の額がそのまま手元に残るとは限りません。
東京電力「従量電灯B」の30Aの基本料金は月935.25円ですが、基本料金0円のプランは、そのかわりに従量単価が高めに設定されている場合が多いためです。
たとえば楽天でんき「プランS」は、基本料金0円・従量単価36.85円/kWhの一律です(2026年10月時点・公式)。 - Q. 自分に合うかどうかは、どこを見れば分かりますか?
-
A. 自分の月の使用量と、各社の公式の従量単価をセットで見てください。
基本料金が0円になる分だけで判断すると、単価の違いを見落としやすくなります。
使用量は、検針票やWeb明細の「ご使用量(kWh)」の欄で確かめられます。 - Q. 「基本料金0円」のプランは、どれを選んでも同じですか?
-
A. 看板は同じでも、中身は3タイプに分かれます。
①単価が公表されていて固定のタイプ ②市場価格に連動して月額を確定できないタイプ ③賦課金や燃料費調整額まで含めて0円にするかわりに単価が高いタイプ、の3つです。
「0円」という言葉だけでは選び分けができない状態になっています。
「基本料金0円」という言葉を見て、その分がまるごと安くなるのかな、と思ったことはありませんか。
毎月かならず引かれている固定費が消えるわけですから、期待するのは自然なことだと思います。
けれど検針票を見ても、自分の場合いくら変わるのかまでは書かれていません。
この記事では、東京電力の30A契約で浮く基本料金の額と、基本料金0円のプランが公表している従量単価を、各社の公式の料金表から並べました。
あわせて、「基本料金0円」と書かれたプランが、料金の決まり方によって3つのタイプに分かれることも整理しています。
単価の見方が分かれば、広告の「0円」に振り回される時間は短くなります。
自分の使用量と単価をセットで見るための手がかりとして、順番に確かめていきましょう。
1. 「基本料金0円」で実際に浮くのはいくらか
はじめに、消える予定の金額を確認しておきます。
東京電力エナジーパートナー「従量電灯B」の基本料金は、一人暮らしで標準的な30A契約の場合で月935.25円です。
1年分に直すと11,223.00円。
電気をまったく使わなかった月でも、この金額は請求されます。
| 項目 | 東京電力「従量電灯B」30A |
|---|---|
| 基本料金(月) | 935.25円 |
| 基本料金(年) | 11,223.00円 |
| 従量単価(〜120kWh) | 29.80円/kWh |
| 従量単価(120〜300kWh) | 36.40円/kWh |
| 従量単価(300kWh超) | 40.49円/kWh |
出典:東京電力エナジーパートナー「従量電灯B」(税込・2026年10月時点)
年に11,223.00円という数字を見ると、これが0円になるなら大きい、と感じるかもしれません。
その感覚自体はまちがっていないと思います。実際、固定費としては小さくない金額です。
ただ、ここから先に少しだけ落とし穴があります。
基本料金を0円にしている会社は、そのぶん従量単価を高めに設定している場合が多いためです。
基本料金0円がどう効くか
自分の使用量で確かめる場合は
リミックスでんき「Styleプラス」は基本料金0円・解約金0円のプランです。
市場価格に連動する部分があるため月額は事前に確定できませんが、料金のしくみと固定部分の単価は公式サイトで確認できます。
申込はネットで完結し、合わなければ切り替え直せます。
料金をみる →
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※ 最新料金・キャンペーンは公式サイトでご確認ください
2. 基本料金0円のかわりに、従量単価が高めに設定されています
基本料金0円のプランが、従量単価をどう設定しているのかを見ていきます。
東京電力エリアで「基本料金0円」を掲げている3社と、東京電力「従量電灯B」の公式の料金を並べると、次のようになります。
| プラン | 基本料金 | 従量単価(公式) | 単価とは別に加わるもの |
|---|---|---|---|
| 東京電力「従量電灯B」 | 30Aで935.25円 | 29.80/36.40/40.49円/kWh(3段階) | 燃料費調整額・再エネ賦課金 |
| 楽天でんき「プランS」 | 0円 | 36.85円/kWh(一律) | 市場価格調整額・再エネ賦課金 |
| リミックスでんき「Styleプラス」 | 0円 | 17.61円/kWh(固定部分)+電源調達料金単価(市場連動) | 再エネ賦課金 |
| 四つ葉電力「ほっと5.0安心プラン」 | 0円 | 45円/kWh(一律) | 事務手数料165円〜220円/月(賦課金・燃料費調整額は0円) |
東京電力エリア・税込・2026年10月時点の各社公式の料金です。
出典:東京電力エナジーパートナー「従量電灯B」/楽天でんき「プランS」/リミックスでんき「Styleプラス」/四つ葉電力「ほっと5.0安心プラン」
東京電力の従量単価は、使った量に応じて3段階で上がるしくみです。
一方、基本料金0円のプランは段階のない一律の単価だったり、市場価格に連動する部分を持っていたりと、単価の決め方そのものが違っています。
つまり「基本料金がいくら浮くか」と「単価がいくらか」は、別々に見ないと比べられないということです。
基本料金の欄だけを見て選ぶと、毎月の使用量にかかる単価の違いを見落としやすくなります。
基本料金の分だけで判断しないための見方
手元の検針票(またはWeb明細)で、月の使用量(kWh)を確かめてください。季節によって変わるので、夏・冬・春秋の月を1枚ずつ見ておくと、自分の幅がつかめます。
そのうえで、各社の公式ページにある従量単価と、単価とは別に加わる項目を確かめます。
使用量と単価をセットで見ることで、「基本料金0円」の看板だけでは見えない部分が分かってきます。
使用量が少ない人ほど請求額に占める基本料金の割合が重くなる、という論点そのものは、電気代3,000円は一人暮らしで可能?で金額の側から詳しく整理しています。
なお、東京電力に残ったまま基本料金だけを下げたい場合は、契約アンペアを下げるという選択肢もあります。
こちらは一人暮らしのアンペアは30Aと40Aどっち?で手順まで扱っています。
自分の使用量に合う一社を探す場合は →
一人暮らし向けの電力会社を、基本料金・従量単価・解約金の有無で一覧にまとめました。
3. 「基本料金0円」は中身が3タイプに分かれます
「基本料金0円」を掲げているプランが、すべて同じしくみというわけではありません。
料金の決まり方で見ると、大きく3つに分かれます。
① 固定単価型 ── 単価が公表されていて固定です
楽天でんき「プランS」がこのタイプです。
従量単価は36.85円/kWhの一律で、公式サイトに公表されています(2026年10月時点)。
ただし別途「市場価格調整額」が加算されるため、完全に固定というわけでもありません。
② 市場連動型 ── 月額を確定できません
リミックスでんき「Styleプラス」は、基本料金0円・固定従量単価17.61円/kWhに加えて「電源調達料金単価」が上乗せされます。
この単価はJEPX(日本卸電力取引所)の市場価格に30分ごと連動するため、月額の総額を事前に確定できません。
東京電力30Aと比べると、電源調達料金単価がおおむね19.5円/kWh前後より下であれば、東京電力を下回るという関係になります。解約金は0円です。
Looopでんき「スマートタイムONE(電灯)」も市場連動型です。
こちらは基本料金が「制度対応費」に置き換えられていて東京エリアの金額が公式ページに掲載されておらず、従量単価も完全に市場連動のため固定単価が存在しません。
そのため金額の比較そのものができないという扱いにしています。
③ 全部込み一律型 ── 単価は高いが変動要素がありません
四つ葉電力「ほっと5.0安心プラン」がこのタイプです。
基本料金だけでなく、再生可能エネルギー発電促進賦課金・燃料費調整額・容量拠出金・託送費まですべて0円で、請求は45円/kWhの一律単価のみという構成になっています(別途、事務手数料が165円〜220円)。
公式ページでは、申込期間(2026年10月31日まで)内の申し込みに限り12ヶ月間は42.8円/kWhで、13ヶ月目から45円/kWhに自動で切り替わると案内されています。申込期間は変わることがあるため、申し込む前に公式ページで確かめてください。
対応エリアは関東エリア(東京都の島嶼地域を除く)で、解約手数料・解約違約金はありません。
3つを並べると、看板が同じ「基本料金0円」でも、比べられるものと比べられないものが混ざっていることが分かります。
①は単価が公表されていて固定、②は市場価格しだいで事後にしか分からず、③は固定のかわりに単価の水準がまったく違います。
「0円」という言葉だけを手がかりに選ぼうとすると、どうしても迷いやすくなります。
自分が金額の確からしさを取りたいのか、安さの上振れを取りたいのかを先に決めるほうが、比べる作業は短く済むかもしれません。
出典:楽天でんき「プランS」/リミックスでんき「Styleプラス」/Looopでんき「スマートタイムONE」/四つ葉電力「ほっと5.0安心プラン」
4. 全部込み一律型が有利になる条件
3タイプのうち③だけは、比べ方を変える必要があります。
再生可能エネルギー発電促進賦課金は、他社であれば使用量に応じて別途かかるためです。単価は4.18円/kWhで、2026年5月分から2027年4月分まで全国一律に適用されます。
月200kWhを使う場合、この賦課金だけで836.00円になります。
四つ葉電力ではこれが0円なので、東京電力側にこの分を足したうえで比べます。
| 月200kWhの内訳 | 東京電力(30A) | 四つ葉電力 |
|---|---|---|
| 電気料金 | 7,423.25円 | 9,000.00円 |
| 再エネ賦課金 | 836.00円 | 0円 |
| 事務手数料 | 0円 | 165円〜220円 |
| 合計 | 8,259.25円 | 9,165.00円〜9,220.00円 |
30A・東京電力エリア・税込。燃料費調整額は0円と仮定。
出典:東京電力エナジーパートナー「再生可能エネルギー発電促進賦課金」/四つ葉電力「ほっと5.0安心プラン」
賦課金まで含めても、四つ葉電力のほうが約906円〜961円高いという結果になりました。
0円になる項目が多いぶん、45円/kWhという単価の高さがそれを上回っている形です。
ただしこの計算には、燃料費調整額を0円と仮定しているという前提が置いてあります。
燃料費調整額は燃料価格に応じて毎月変わる項目で、他社では使用量に応じて加算されますが、四つ葉電力では0円です。
ここが動くと、結論も動きます。
| 月の使用量 | 四つ葉電力が下回る燃料費調整額の水準 |
|---|---|
| 150kWh | 4.75円/kWhを超えたあたり |
| 200kWh | 4.67円/kWhを超えたあたり |
| 300kWh | 4.58円/kWhを超えたあたり |
事務手数料は165円〜220円の中央値で計算しています
つまり燃料費調整額がおおむね4.58円〜4.75円/kWhを超えると、四つ葉電力のほうが下回る計算になります。
燃料価格が落ち着いている時期であれば東京電力のほうが安く、高騰した時期には逆転しうる、という関係です。
ここから見えてくるのは、このタイプの売りは「安さ」ではなく「請求額が使用量×単価だけで決まること」だという点です。
燃料費調整額も賦課金も乗らないので、来月の請求がいくらになるかを自分で計算できます。金額の読みやすさを重視する人には、そこが合うかもしれません。
自分の場合を知る手がかり
手元の検針票(またはWeb明細)に、「燃料費調整額」という欄があります。
そこに書かれている金額を、同じ明細の使用量(kWh)で割ってみてください。1kWhあたりいくらかかっているかが出ます。
その数字が上の表の水準に届いているかどうかで、③のタイプが自分に合うかどうかの見当がつきます。
いま契約している会社の明細を1枚見るだけなので、比較サイトを回るより手間は少なく済みそうです。
5. よくある質問
Q. 基本料金0円のプランに変えれば、必ず安くなりますか?
A. 必ずしもそうとは限らないようです。
基本料金が0円になるかわりに、従量単価が高めに設定されているプランが多いためです。
また四つ葉電力のように、単価の水準そのものが高いため総額では上回るケースもあります。
基本料金の分だけで判断せず、自分の使用量と各社の公式単価をセットで見てください。
Q. 基本料金0円のプランが自分に合うかは、どうやって確かめればいいですか?
A. 検針票の使用量と、各社の公式の料金表を見比べてください。
使用量は季節で変わるため、夏・冬・春秋の月をそれぞれ確かめておくと判断しやすくなります。
料金表では、従量単価に加えて、単価とは別に加わる項目(市場価格調整額・燃料費調整額・電源調達料金など)があるかどうかも確かめておくと安心です。
Q. 市場連動型は、結局いくらになりますか?
A. 申し込む前に確定させることはできません。
リミックスでんき「Styleプラス」は固定従量単価17.61円/kWhに電源調達料金単価が上乗せされ、この単価は市場価格に30分ごと連動します。
Looopでんき「スマートタイムONE(電灯)」も同じく完全市場連動で、固定単価が存在しません。
金額を先に知っておきたい場合は、単価が固定されているタイプのほうが向いていそうです。
Q. 合わなかったら、元に戻せますか?
A. 解約金のないプランであれば、戻せる場合が多いようです。
この記事で扱ったプランのうち、リミックスでんき「Styleプラス」と四つ葉電力「ほっと5.0安心プラン」は解約手数料・解約違約金なしと公式に案内されています。
電力会社の切り替えに大家さんの許可は原則として必要なく、スマートメーターが設置済みであれば工事も立ち会いも不要です。
ただし解約の条件は会社ごとに違うので、申し込む前に公式サイトで確かめておくと安心です。
6. まとめ
- 東京電力30Aの基本料金は月935.25円、年11,223.00円。0円プランに変えても、この額がそのまま手元に残るとは限りません
- 基本料金0円のプランは、そのかわりに従量単価が高めに設定されている場合が多くなっています(楽天でんき「プランS」は36.85円/kWhの一律・2026年10月時点・公式)
- 判断するときは、自分の月の使用量と各社の公式単価をセットで見ることが手がかりになります
- 「基本料金0円」は固定単価型・市場連動型・全部込み一律型の3タイプ。看板が同じでも比べ方が変わります
- 全部込み一律型は安さではなく金額の読みやすさが持ち味。判断の手がかりは検針票の「燃料費調整額」の欄です
「基本料金0円」は、浮く金額だけを見ると大きく感じますが、単価とあわせて見ると印象が変わることがあります。
大事なのは看板の「0円」そのものより、自分の使用量と、そのプランの単価のしくみを一度確かめておくことかもしれません。
一度確かめてしまえば、次に「基本料金0円」という言葉を見かけても、迷わず読み飛ばせるようになります。
気にする時間が減ったぶんを、好きなことに回していきましょう。
再エネ・アプリ管理で選ぶ場合は
Looopでんき
基本料金にあたる部分がなく、専用アプリで使用量を確認できるプランです。
料金は市場価格に連動するしくみのため月額は事前に確定できませんが、単価の考え方は公式サイトで確認できます。
切り替えはネットで完結し、工事は不要です。
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