学生の一人暮らし、
電気・ガス代はいくらが目安?
仕送りとバイト代で回すための優先順位

この記事の結論

Q. 学生の一人暮らしの電気代はいくらが目安ですか?
A. 単身世帯の平均は月6,756円で、学生はそれより下に振れやすい傾向があります。
総務省の家計調査(2024年)による単身世帯の電気代の月平均が6,756円、同じ調査の34歳以下では約6,000円とされています。
授業やバイトで日中は部屋にいない生活だと、照明もエアコンも動く時間が短くなるため、平均より低く収まる月もあるようです。
Q. 節約を始める前に確認しておくことはありますか?
A. 電気の契約が誰の名義になっているかです。
入居の手続きを親御さんがまとめて済ませていた場合、契約者が親御さんのままになっていることがあります。
この場合、電力会社やプランの切り替えは自分だけでは進められないため、先に名義を確かめておくと空振りせずに済みます。
Q. 使う量が少ないなら、節約する余地も小さいですか?
A. 使い方を削る余地は小さくても、固定費のほうに余地が残っている場合があります。
電気代は「基本料金」と「使った分の電力量料金」の合計で、基本料金はほとんど使わなかった月でもかかります。
そのため使用量が少ない人ほど、請求に占める基本料金の割合が相対的に大きくなります。

一人暮らしを始めて最初の請求を見たとき、この金額が高いのか安いのか分からなかった、ということはありませんか。

実家では光熱費が家族全員分をまとめた金額だったので、自分ひとりぶんがいくらなのかを考える機会がありませんでした。
比べる相手がいないまま数字だけが届くので、判断のしようがないところがあります。

しかも学生の場合、使えるお金は仕送りとバイト代で先に決まっていることが多く、光熱費だけを別枠で増やすわけにもいきません。

この記事では、まず平均と並べて自分の位置を確かめ、そのうえで学生の生活に効く打ち手だけを順番に並べるという形で整理しました。
やることを増やすのではなく、やらなくていいことを外していく方向で進めていきます。

📊 学生の一人暮らしで、どこを見ればいいか

項目 一人暮らし全体の目安 学生の場合の見方
電気代 月6,756円(単身世帯の平均) 34歳以下は約6,000円。日中いない生活だとさらに下に振れる月もあります
ガス代 都市ガスかプロパンかで大きく変わります 学生向けの物件はプロパンのこともあり、同じ使い方でも金額が変わります
先に確認すること 電気の契約者は誰か 親御さん名義だと、切り替えを自分だけでは決められません

出典:総務省「家計調査」(2024年)をもとに整理

1. 学生の一人暮らしの光熱費はどのくらい?

最初に、比べる相手になる数字を置いておきます。
総務省の「家計調査」(2024年)では、単身世帯の電気代の月平均は 約6,756円 とされています。
同じ調査の34歳以下の区分では 約6,000円 となっており、全年齢の平均より低めです。

実家では「自分ひとりぶん」が見えなかった

実家の光熱費は、家族全員が使った分をまとめた金額でした。
誰がどれだけ使ったかで分けられていないので、そこから自分ひとりぶんの感覚を持つのは難しかったはずです。

一人暮らしの請求書は、その点でははっきりしています。
書かれている金額はすべて自分が使った分なので、高いか低いかを判断する材料としては、実家の記憶より平均と並べたほうが早いかもしれません。

季節でかなり動くので、1か月だけでは判断しにくい

電気代は、年間の平均だけで見ると実感とずれてしまうことがあります。
冷暖房の有無で月ごとの金額が大きく動くためです。

時期 一人暮らしの電気代の目安 学生の生活で起きやすいこと
春・秋(4〜5月・10〜11月) 3,500〜5,000円 冷暖房を使わないぶん、年間でいちばん低くなりやすい時期です
夏(6〜9月) 6,000〜8,500円 夏休みで在宅時間が延びると、平均寄りまで上がる月があります
冬(12〜2月) 7,000〜10,000円 暖房の影響が大きく、年間でいちばん高くなりやすい時期です

出典:資源エネルギー庁「電力調査統計」、総務省「家計調査」をもとに試算

授業がある時期と長期休みでは、部屋にいる時間がかなり違います。
授業期間の請求と夏休みの請求を比べると、同じ生活をしているつもりでも金額が動くことがあるので、1か月だけを見て高い・安いを決めなくても大丈夫です。

ガス代は「都市ガスかプロパンか」で前提が変わります

ガス代については、平均額を持ち出す前に確認しておきたいことがあります。
契約しているのが都市ガスなのかプロパンガス(LPガス)なのかで、同じ使い方でも請求額が変わるためです。

学生向けのアパートでは、プロパンの物件も少なくありません。
プロパンは会社ごとに料金の決め方が違い、都市ガスのように地域で単価がそろっているわけではないので、「平均より高い」と感じたときの原因が使い方ではなく契約側にある場合があります。

自分の物件がどちらなのかは、検針票やガス会社名で確認できます。
ガスの単価そのものは入居後に自分で選び直せないことが多いので、下げ幅を作りやすいのは電気側になりやすい、という見方をしておくと動きやすくなります。

使う量が少ない月ほど効いてくる
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電気をあまり使わない月ほど、請求に占める基本料金の割合は大きくなります。
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2. 先に確認すること:契約の名義は誰か

電力会社の切り替えは、契約者本人でなければ手続きを進められません。
入居のときに親御さんが賃貸契約からライフラインの申し込みまでまとめて済ませていた場合、電気の契約者が親御さんのままになっていることがあります。

自分名義だと思い込んだまま申し込みページを開いて、契約者名の欄で止まってしまうこともあるので、先に確かめておくと手戻りが減ります。

名義を確認する4つの場所

① 検針票(電気ご使用量のお知らせ)

紙で届いている場合は、上部の「ご契約者さま名」「お客さま名」の欄に名義が書かれています。
ポストに入らなくなった物件でも、玄関脇のメーター周りや郵便受けに投函されていることがあります。

② 電力会社のWeb会員ページ

検針票が紙で来ていない場合は、Web明細に切り替わっている可能性があります。
ログインIDとパスワードを持っているのが自分か親御さんかで、名義の見当がつきます。自分のメールアドレスに毎月の明細が届いていなければ、親御さん側で登録されていることが多いようです。

③ 入居時の書類一式

賃貸借契約書と一緒に、電気・ガス・水道の申し込み控えがまとめて渡されていることがあります。
実家に置いたままなら、写真を送ってもらうだけで確認できます。

④ 引き落とし先の口座・カード

電気代が自分の口座やカードから落ちていなければ、契約も親御さん名義である場合がほとんどです。
逆に自分の口座から落ちていても、契約名義だけ親御さんというケースはあるので、①〜③とあわせて見ると確実です。

なお、電力会社の窓口に電話して確認する方法もあります。
ただし本人確認が入るため、名義人本人でないと答えてもらえないことがあります。まずは手元の書類から見たほうが早いかもしれません。

親名義でもできること・できないこと

名義が親御さんだった場合でも、打つ手がなくなるわけではありません。
自分だけで決められることと、名義人の手続きが要ることを分けて考えると整理しやすくなります。

やりたいこと 親名義のとき
電力会社・プランの切り替え 自分だけでは進められません(申し込みは契約者本人の手続きになります)
契約アンペアの変更 自分だけでは進められません(名義人からの申し込みが必要です)
名義を自分に変更する できる場合があります(電力会社によって手続きの方法が異なります)
家電の使い方・照明の見直し 自分だけで進められます

親名義のまま切り替えたい場合は、親御さんに手続きをお願いすることになります。
そのときは「安くなるらしい」だけではなく、今の請求額・基本料金・切り替え後の見込みを一緒に見せられると、話が具体的になります。この記事の3章と5章がその材料になるように書いています。

「賃貸だから変えられない」とは別の話です

名義の制約と、賃貸という物件の制約を比べると、この2つは別のものです。
賃貸そのものは、電力会社を変えるのに大家さんの許可が要らないケースがほとんどで、止まる理由になるのは契約者が自分ではないという点のほうになります。

ただし、マンション全体で電力会社が決まっている一括受電の物件など、名義とは関係なく切り替えられない例外もあります。
このあたりは 賃貸で電力会社を変更するのに大家の許可は必要?結論と手順を解説 でまとめているので、あわせて確認してみてください。

3. 昼間いない生活で効くこと・効かないこと

授業とバイトで日中は部屋にいない、という生活は、それ自体がすでに節約になっています。
照明もエアコンもテレビも動いていない時間が長いぶん、使用量が積み上がりにくいためです。

ただ、この生活には別の特徴もあります。
削れる使用量がもともと少ないので、使い方の工夫だけでは早めに頭打ちになりやすいという点です。

効きやすいのは「留守の間も動いているもの」

日中いない生活の場合、狙いどころは在宅中に使う家電より、留守の間も動き続けているもののほうにあります。

対象 効きやすさ 理由
冷蔵庫 効きやすい 留守でも24時間動き続けるため、在宅時間の長さに関係なく効きます
照明(蛍光灯からLEDへ) 効きやすい 替えたあとは何もしなくても続きます。照明分を50〜80%減らせることがあります
エアコンの設定温度・フィルター 季節による 設定温度を1℃緩めると約13%、フィルター清掃は月1回で4〜10%の削減とされています
こまめに消す・使用時間を削る 効きにくい もともと在宅時間が短いため、これ以上削れる部分が残っていないことが多いようです

出典:資源エネルギー庁の公表資料をもとに整理

製造から10年以上経った冷蔵庫は、最新機種と比べて消費電力が20〜40%多いことがあります。
備え付けの冷蔵庫がある物件だと入れ替えは難しいものの、自分で買った家電なら、次の買い替えのときに製造年を見ておくと効いてきます。

使う量が少ない人ほど、基本料金の割合が重くなります

ここが、日中いない生活で節約を考えるときのいちばん大事なところかもしれません。

電気代の請求は、「基本料金」+「使った分の電力量料金」という形で組み立てられています。
基本料金は契約アンペアで決まる固定部分なので、旅行や帰省でほとんど部屋にいなかった月でもかかります。

一人暮らしで標準的とされる東京電力の30A契約なら、基本料金は月935.25円という水準です。
この金額が請求額の中でどのくらいを占めるのかを並べてみます。

月の電気代 基本料金(30A・目安) 請求に占める割合
3,000円 935.25円 約3割
5,000円 935.25円 約2割
9,000円 935.25円 約1割

※ 東京電力エリア・30A契約を前提とした目安です。
エリアや契約内容によって金額は異なります

月9,000円の請求と月3,000円の請求を比べると、基本料金の金額そのものは同じでも、請求全体に占める割合は3倍ほど違ってきます。
つまり、電気をあまり使っていない人が使い方をさらに削っても、動かせるのは残りの7割の部分だけになります。

「節約しているのに、思ったほど下がらない」と感じるときは、頑張りが足りないのではなく、この構造が理由になっている場合があります。

長期休みに帰省する月も、固定部分はかかります

夏休みや春休みに1か月ほど実家に戻る場合、電力量料金はほとんど発生しません。
いっぽうで基本料金のほうは、部屋にいなかった月でも変わらずかかります。

帰省が多い学生ほど、この固定部分の存在感が大きくなりやすい、ということになります。
契約アンペアを下げる、あるいは基本料金の設計そのものが違うプランを選ぶ、という方向は、このあとの5章でまとめて扱います。

4. 在学期間で考える:2〜4年で退去する前提

学生の一人暮らしには、社会人の一人暮らしにはない前提があります。
住む期間が2〜4年とだいたい決まっている、という点です。

社会人が同じ部屋に10年住むケースと比べると、契約を選ぶときに見るポイントが少し変わってきます。
長く続けるほど得になる仕組みは、卒業までに元が取れるかどうかで判断が分かれるためです。

契約期間の縛りと解約金を先に見ておく

電力会社を選ぶときは、料金の安さと同じくらい、やめるときの条件を見ておくと後悔しにくくなります。
在学期間の途中で引っ越す可能性もあるためです。

① 解約金・違約金の有無

新電力には解約金なしのプランが多くありますが、契約期間の縛りがあるプランも存在します。
申し込みページの「解約」「契約期間」の項目に書かれているので、申し込む前に一度開いてみると安心です。

② キャンペーンの適用条件

キャッシュバックやポイント付与に「◯か月継続で」という条件がついている場合があります。
その期間が在学期間の中に収まるかどうかで、受け取れるかが変わってきます。

③ 引っ越し先で続けられるか

卒業後の引っ越し先が同じ電力会社の対応エリア内であれば、住所変更の手続きだけで契約を続けられる場合があります。
全国対応の会社を選んでおくと、卒業のたびに選び直さずに済むかもしれません。

退去のときにやること

引っ越しが決まったら、電気とガスのそれぞれに連絡が必要です。
まとめると次のような流れになります。

時期 やること
引っ越しの2週間〜1か月前 電力会社・ガス会社に退去日を連絡します(Webで受け付けている会社が多いようです)
退去日 ガスの閉栓は立ち会いが必要な場合があります。予約が埋まりやすい時期は早めの連絡が安心です
退去後 最終月の請求方法(口座振替・振込用紙など)を確認しておきます

3月は引っ越しが集中する時期なので、ガスの閉栓・開栓の予約が取りにくくなることがあります。
卒業のタイミングで動くことが分かっているなら、日程だけ先に押さえておくと落ち着いて進められます。

5. まとめ:予算から逆算して順番に手を打つ

仕送りとバイト代で回している場合、使えるお金は先に決まっています。
だからこそ、光熱費は「いくらまで下げられるか」より 「予算に収まる形にして、あとは気にしなくていい状態にする」 ほうが向いているかもしれません。

手をつける順番

順番 やること かかる手間
1 電気の契約名義を確認する(検針票・Web明細・入居時の書類) 数分・費用なし
2 検針票で契約アンペアと基本料金を確認する 数分・費用なし
3 自分名義なら電力会社・プランを見直す/親名義なら数字を見せて相談する 1回・以降は続きます
4 冷蔵庫・照明など、留守の間も動いているものを見直す 1回・以降は続きます
5 エアコンの設定温度やフィルター清掃など、使い方を調整する 毎月続ける前提です

1と2は費用がかからず、結果によって3以降のやり方が変わります。
先に順番を決めておくと、あちこち手を出して疲れる前に終わらせやすくなります。

この記事のまとめ

  • 単身世帯の電気代の平均は 月6,756円、34歳以下では約6,000円。学生は日中いない時間が長いぶん、平均より下に振れやすい傾向があります
  • ガス代は 都市ガスかプロパンかで前提が変わるため、平均と比べる前に自分の物件がどちらかを確認しておくと判断しやすくなります
  • 節約を始める前に 電気の契約名義 を確認します。親御さん名義だと、切り替えやアンペア変更は自分だけでは進められません
  • 日中いない生活では、使い方を削るより 留守の間も動いているもの(冷蔵庫・照明)のほうが効きやすいようです
  • 使用量が少ない人ほど、請求に占める基本料金の割合が大きく なります(月3,000円の請求なら約3割)
  • 在学期間は2〜4年と決まっているので、解約金・契約期間の縛り を申し込む前に見ておくと動きやすくなります

光熱費のことを毎月考え続ける学生生活は、少し窮屈かもしれません。
契約側を一度整えてしまえば、あとは季節で数字が上下しても必要以上に気にしなくて済みます。
浮いたぶんは、今しかできないことに回していきましょう。

使い方を変えずに固定費を減らす
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ここまでの打ち手のうち、毎月の請求に自動で効き続けるのは契約の見直しのほうです。
3章で見たとおり、使う量が少ない人ほど請求に占める基本料金の割合は重くなります。基本料金が0円なら、その部分がそのまま無くなる形です。
解約金も0円なので、在学中に引っ越すことになった場合でも負担が残りません。

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