ENEOSでんきの評判は?
一人暮らしのリアルな料金とメリット・デメリット

この記事の結論

Q. ENEOSでんきは一人暮らしに向いている?
A. 先に結論をお伝えします。基本料金も従量単価も、東京電力の規制料金と同額です。単価の安さで選ぶ電力会社ではありません。それでも選ぶ理由があるとすれば、供給元が大手で撤退リスクが小さいこと、そして「にねん とく2割」を続けたときのわずかな割引の2点です。この2点に価値を感じるかどうかが判断の分かれ目になります。
Q. 料金は他の新電力と比べてどう?
A. 基本料金0円系(リミックスでんき・楽天でんき)と比べると、どの使用量帯でも割高になります。基本料金935.25円がまるごと固定費として乗るため、月100〜250kWhの一人暮らしの使用量帯では基本料金0円系のほうが確実に安いです。
Q. 評判は良い?
A. ENEOSブランドへの安心感を挙げる声が目立ちます。撤退や倒産の心配が少ない点で選ばれているようです。一方で「Web申込フォームがやや古い」「マイページが見づらい」という声もあります。料金の安さより「安心して長く使いたい」という人に向いた評価のされ方です。

新電力を選ぶときに「ENEOSは名前を聞いたことがあるけれど、電気はどうなのだろう」と気になる方は多いと思います。
ガソリンスタンドのENEOSと同じグループが運営する電力会社で、2016年の電力自由化を機に家庭向けの電気供給を始めています。

先に、判断の材料になる事実をひとつお伝えします。ENEOSでんきの基本料金と従量単価は、東京電力の規制料金と同額です
つまり、切り替えただけで電気代が下がるタイプの電力会社ではありません。ここを最初に押さえておくと、あとの比較がラクになります。

そのうえでENEOSでんきを選ぶ理由があるとすれば、供給元が大手で撤退リスクが小さいことと、「にねん とく2割」を2年以上続けたときのわずかな割引の2点です。
この記事では一人暮らし(月150〜250kWh)の視点で、その2点が自分にとって意味のある価値かどうかを判断できるように、料金・特典・評判・デメリットを整理しました。得が小さいところは小さいまま書いています。

1. ENEOSでんきとは?運営会社と基本情報

ENEOSでんきは、ENEOS Power株式会社が運営する電力小売サービスです。
親会社はENEOSホールディングスで、ガソリンスタンドや石油元売り事業では国内最大手にあたります。

項目 内容
運営会社 ENEOS Power株式会社
サービス開始 2016年4月(電力自由化と同時)
主力プラン Vプラン(一般家庭向け)
提供エリア 北海道・東北・関東・中部・北陸・関西・中国・四国・九州(沖縄・離島を除く全国)
支払い方法 クレジットカード/口座振替
解約金 標準プラン:なし/「にねん とく2割」適用時は中途解約手数料あり

親会社の規模から、撤退・倒産のリスクが小さい会社として選ばれることが多いサービスです。
2022年の電力危機で複数の新電力が撤退・倒産した中、ENEOSでんきは供給を続けた実績があります。この記事で扱う「安心感」は、おおむねこの実績を指しています。

2. 料金プラン:Vプランの中身を分解

ENEOSでんきの一人暮らし向けプランは「Vプラン」だけです。
東京エリア・30A契約の料金は次のとおりです(2026年5月時点の目安)。東京電力の従量電灯Bを並べているので、そのまま見比べられます。

項目 ENEOSでんき
東京Vプラン
東京電力
従量電灯B(比較用)
基本料金
(30A)
935.25円 935.25円
〜120kWh 29.80円/kWh 29.80円/kWh
121〜300kWh 34.85円/kWh 34.85円/kWh
301kWh〜 36.90円/kWh 36.90円/kWh

※ 燃料費調整額・再エネ賦課金は別途。最新単価は公式サイトでご確認ください。
※ 東京電力の単価は2024年6月の規制料金見直し以降の水準。

表のとおり、基本料金も3段階の従量単価も東京電力の規制料金と同じ数字です。
単価の比較では差がつきません。ENEOSでんきに残っている料金面の違いは、次の「にねん とく2割」とVポイント還元の2つだけになります。どちらも金額としては小さいので、そのつもりで見てください。

「にねん とく2割」割引

申し込みから24ヶ月間の継続を条件に、第2・第3段階の従量単価が割引されます。
1〜2年目は121kWh以上の単価が0.20円/kWh引き、3年目以降は0.30円/kWh引きになります。月200kWh使う場合で、2年目までがおよそ年間190円、3年目以降がおよそ年間290円の割引です。
解約手数料は1,100円(税込)で、更新月(適用開始から23〜24ヶ月目)以外に解約すると発生します。24ヶ月後は自動更新なので、「2年たてばいつ解約しても無料」ではない点だけ気をつけてください。引越し先でも継続して使う場合は手数料がかかりません。

※ 割引額・解約手数料はENEOSでんき公式サイト(にねん とく2割のページ)で確認した内容です。

Vポイント還元

電気料金の支払いに応じてVポイント(旧Tポイント)が貯まります。
還元率は200円(税抜)につき1ptで、0.5%にあたります。月5,000円の電気代なら月25pt、年間300pt程度です。
高い還元率ではありませんが、Vポイントを普段から使っている方には上乗せになります。なお、ENEOSカード割引との併用はできません。

3. 一人暮らしのリアルな月額シミュレーション

実際の使用量で、東京電力とENEOSでんきの差を並べました。
燃料費調整額と再エネ賦課金は同条件なので除いています。

月の使用量 東京電力 ENEOSでんき
(割引なし)
差額/月
100kWh 3,915円 3,915円 ±0円
150kWh 5,557円 5,557円
(2年目まで割引適用時:5,551円)
±0円〜-6円
200kWh 7,299円 7,299円
(2年目まで割引適用時:7,283円)
±0円〜-16円
250kWh 9,042円 9,042円
(2年目まで割引適用時:9,016円)
±0円〜-26円

※ 基本料金(30A・935.25円)込みの月額目安。燃料費調整額・再エネ賦課金を除く本体価格。ENEOSでんきの「割引なし」列は割引適用前の基本単価(東京電力と同額)。

基本料金と従量単価が東京電力と同額なので、割引なしの単価だけで比べると差額は出ません
「にねん とく2割」を適用しても、月100〜250kWhの範囲では月数円〜26円程度です。金額としては小さく、節約を目的に切り替える動機にはなりにくい水準です。

比較:基本料金0円系との損益分岐点

  • 月100〜250kWhのどの使用量でも、基本料金0円のリミックスでんき・楽天でんきのほうが安くなります(基本料金935.25円がまるごと不要になるためです)
  • ENEOSでんきの単価は東京電力と同額なので、割引なしでは差がつきません
  • 「にねん とく2割」を適用しても、月200kWhで年間200〜300円程度の割引です

4. メリット4つ

① 供給元が大手で、撤退リスクが小さい

親会社のENEOSホールディングスは石油元売りの国内最大手で、エネルギー事業の規模が大きい会社です。
2022年の電力危機で多くの新電力が撤退・倒産した中、ENEOSでんきは供給を続けました。
「契約したあとで会社が撤退して、また探し直す」という手間を避けたい方には、この実績が判断材料になります。この記事の軸も、ここに価値を感じるかどうかです。

② 「にねん とく2割」でわずかに割引される

従量単価は東京電力と同額ですが、「にねん とく2割」を適用すると121kWh以上の単価が下がります。1〜2年目は0.20円/kWh引き、3年目以降は0.30円/kWh引きです。
月200kWhで年間200〜300円ほどなので、節約というほどの金額にはなりません。2年以上同じ家に住む見込みがあるなら申し込んでおく、という程度の位置づけです。
更新月以外の解約には手数料1,100円(税込)がかかるので、引越しの可能性がある方は無理に付けなくても問題ありません。

③ Vポイントが貯まる

毎月の電気代に対してVポイントが付きます(200円(税抜)につき1pt)。
ドラッグストアやコンビニ、ガソリンスタンドでVポイントを使っている方なら、そのまま普段の買い物に回せます。

④ 全国対応(沖縄・離島を除く)

北海道から九州まで対応しています。
引越しのたびに電力会社を選び直さずに済むので、住所変更の手続きだけで続けられます。

5. デメリット・注意点

① 基本料金も単価も東京電力と同額

基本料金0円のリミックスでんき・楽天でんきと比べると、固定費が下がりません。
月100kWh前後の少なめの使い方なら、基本料金0円系のほうが安く収まります。

② 「にねん とく2割」の解約手数料

更新月(適用開始から23〜24ヶ月目)以外に解約すると1,100円(税込)がかかります。24ヶ月ごとの自動更新なので、2年たてば自由、という形ではありません。
引越しの可能性がある方や短期で乗り換えたい方は、割引なしで契約するか他社を見るほうが気楽です。

③ Web申込・マイページがやや古い

利用者の口コミには「申込フォームの操作性が古い」「マイページの使用量グラフが見づらい」という指摘があります。
使用量をこまめに確認したい方は、アプリの使い勝手が良い会社のほうが合うかもしれません。

④ Vポイントの還元率は控えめ

0.5%はクレジットカード単体の還元より低めです。
ポイントを重視するなら、楽天でんき(楽天ポイント)やauでんき(Pontaポイント)のほうが率は高くなります。

6. 向いている人・向いていない人

ENEOSでんきが向いている人

  • 新電力の撤退・倒産が気がかりで、供給元の安定を優先したい
  • 2年以上同じ家に住む見込みがあり、「にねん とく2割」を続けられる
  • Vポイントを普段から使っている
  • 電気代が下がらなくても、選び直す手間が減るほうがうれしい

向いていない人

  • 電気代そのものを下げたい(基本料金0円系のほうが安くなります)
  • 1〜2年で引越す可能性がある(「にねん とく2割」の解約手数料がかかります)
  • 縛りなしで料金の安い会社を選びたい
  • アプリで電気使用量をこまめに確認したい

7. 申し込みから切り替えまでの流れ

ENEOSでんきの申し込みはWebで完結し、5〜10分ほどです。
賃貸でも申し込めて、工事も停電もなく切り替えられます。

STEP やること 所要時間
1 今の電気の検針票を用意(供給地点番号・お客様番号) 1分
2 公式サイトで申し込みフォームに入力 5〜10分
3 本人確認+審査(自動) 1〜3営業日
4 切り替え(自動・利用者は何もしない) 申込から1〜2ヶ月後

今までの電力会社への解約手続きはENEOS側が代行します。
切り替えの当日も停電は起きないので、生活のほうで準備することはありません。

申込前に確認すること

  • スマートメーターが設置されているか(2020年以降の物件はほぼ対応済みです)
  • 「にねん とく2割」を付けるかどうか(2年以上住む見込みがあるなら付ける、で判断できます)
  • クレジットカードまたは口座の情報を手元に用意しておく

8. よくある疑問

Q. 賃貸でも申し込める?

申し込めます。大家さんの許可も要りません。
2016年の電力自由化以降、賃貸住宅でも住んでいる人が電力会社を選べます。

Q. 切り替え中に停電する?

停電しません。電気を届ける送電網は変わらないので、切り替えの当日もそのまま電気を使えます。

Q. 「にねん とく2割」は途中で解除できる?

解除できます。ただし更新月(適用開始から23〜24ヶ月目)以外に解除すると、1,100円(税込)の解約手数料がかかります。
24ヶ月ごとの自動更新なので、無料で解除できるのは更新月のタイミングです。

Q. 楽天ポイントや他社ポイントも貯まる?

貯まりません。ENEOSでんきで貯まるのはVポイントだけです。
楽天ポイントを貯めたいなら楽天でんき、Pontaならauでんきが候補になります。

Q. 引越し時はどうする?

引越し先が対応エリア内なら、住所変更の手続きで続けて使えます。
対応エリア外(沖縄・離島)へ引越す場合は解約が必要です。
「にねん とく2割」を付けている場合でも、引越し先で継続して利用するなら解約手数料はかかりません(ENEOSでんき公式サイトの記載による)。

9. まとめ

  • ENEOSでんきの基本料金・従量単価は東京電力の規制料金と同額です
  • 「にねん とく2割」を適用しても月数円〜数十円程度の割引で、節約を目的に選ぶ理由にはなりにくい金額です
  • 基本料金0円系(リミックスでんき・楽天でんき)と比べると、どの使用量でも割高になります
  • 残る価値は供給元が大手で撤退リスクが小さいことと、2年以上続けたときのわずかな割引の2点です
  • この2点に納得できるなら選ぶ価値がありますが、電気代を下げたい場合は基本料金0円系を先に見るほうが目的に合います

ENEOSでんきは「安いから選ぶ電力会社」ではなくなりました。
大手と同額でも供給元の安心を取りたい方、そのうえで2年継続の小さな割引も取っておきたい方に合う位置づけです。

逆に、毎月の電気代そのものを下げたい場合は、基本料金0円の新電力のほうが目的に近づきます。
どちらが自分の考えに近いかは、下の比較記事で並べて見ると決めやすくなります。

2年の継続が引っかかるなら、基本料金0円のリミックスでんき

更新月以外の解約手数料が気になる場合は、解約金なし・基本料金0円のリミックスでんきも候補になります。
全国対応で、合わなければ乗り換えられます。

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※ 最新料金・キャンペーンは公式サイトでご確認ください